依存性パーソナリティ障害とは、どんなものか?毒親が持っている可能性はあるのか?などについてみていきます。
依存性パーソナリティー障害 (Dependent personality disorder DPD) とは?
依存性パーソナリティー障害とは、自分で自分のことをやらずに人に頼ったり服従して自分の世話をしてもらおうとします。人生丸投げ、全部人にまかせっぱなしという感じです。
パパ活やヒモと違うところは、自分で自分の世話をすることや自立をすることにに恐怖を抱いているというところです。ただ怠けて楽な道を行くために人を利用しているのではなく、自分自身で決断をすることに異常な恐怖を持っています。自分で何かを決めなければいけないと考えると不安しかないので、服従していた方が楽なのかもしれません。
症状の特徴
●世話をされる必要性
依存性パーソナリティー障害の人は、自分一人で自分の身の回りのことをしたり、自立して一人で生きていけると考えてはいません。誰かに服従して世話をしてもらおうとします。
一般的に、通常の判断を行うにあたりふんだんな安心と助言を必要とし、他者、しばしば一人の人に、自分の生活の多くの側面について責任を負ってもらいます。例えば、配偶者に依存し、何を着て、どのような種類の仕事を探し、誰と付き合うべきかを教えてもらいます。やたらと人にアドバイスを求めて、相手に全部決めてもらおうとする受け身で何にもしない人になってしまいます。
依存性パーソナリティ障害の人は、依存対象のごく少人数の人としか社会的に交流しない傾向があります。親密な関係が終わると、すぐに代わりとなる人を見つけようとします。世話をしてもらうのに必死であるため、代わりとなる人を選ぶにあたり、見境がない場合があります。理由がない場合でも、依存している相手に見捨てられることを過度に恐れています。捨てられてしまうのではないか?という恐れは、境界性パーソナリティー障害に似ていますが、世話をしてもらうための服従というところが違います。
●過度の服従性
依存性パーソナリティ障害の人は、支持や承認を失うことを恐れるため、他者との意見の違いをなかなか口に出すことができません。人からのの支援を失うリスクを冒すくらいなら、いくら相手が間違っていても、間違っていることが分かっていることに同意することもあります。怒って当然の場合でも、支援を失うことを恐れて友人や同僚に怒りを向けることがありません。
依存性パーソナリティー障害の人は、世話と支援を得るために多大な労力を払います。例えば、不快な課題をこなしたり、不当な要望の言いなりになったり、身体的、性的、または情緒的虐待に耐えたりすることさえあります。自分で自分の面倒をみることができないと恐れるため、一人でいることに強い居心地の悪さを感じたり、恐れたりします。
人の言うことを何でも聞いて、受け入れて、迎合力があるいい人に見えるから、人から好かれそうです。しかし、優しくていい人に見えるからこそ毒親のように悪い人に都合よく利用されやすいですね。捨てられる不安から本音を言えず、依存性パーソナリティー障害だということにも気づかれないのではないかと思います。逆に言うと、人が嫌がる仕事に向いていて、そのような場で注目を浴びたり活躍しそうな感じもします。
●自身のなさ
依存性パーソナリティ障害の人は、自分が劣っていると考え、自分の能力を卑下する傾向があります。あらゆる批判や否認を自分の能力のなさの証拠と受け取り、さらに自信を失います。
自分が一人では何もできないと確信しているため、新しい課題を始めたり、独立して働いたりすること、責任を負う必要のある課題を避けます。常に支援と安心を必要とする、能力のない存在として振る舞います。能力のある人が依存性パーソナリティ障害の人を監督したり、承認したりして安心感をもっている場合、患者は十分に役割を果たすことができる傾向があります。しかし、見捨てられることを恐れてあまりに能力があるようにみられることを望みません。その結果、経歴が損なわれることがあります。自立して生活する技能を学ばないことが多いため、依存性を長続きさせます。
原因
依存性パーソナリティー障害になってしまう原因は、種族やその地域による風習などの文化的因子、幼児期の否定的な体験、生まれつき不安になりやすい先天的傾向があります。服従性、自信のなさ、控えめな行動など家族内で受け継がれる特性も原因の一つです。どのパーソナリティー障害も幼少期の環境が発症原因に影響をしていますが、依存性パーソナリティー障害は、服従を当たり前にさせてしまうので、毒親家系での発症率は、高いのではないかと言えます。
併存症として、うつ病や気分変調症のような抑うつ障害、不安症、アルコール使用障害、境界性パーソナリティー障害や演技性パーソナリティー障害などの他のパーソナリティー障害も持っていることが多いそうです。
毒親が、依存性パーソナリティー障害を持っている可能性はあるか?
依存性パーソナリティー障害は、特定の一人の人に依存して世話をしてもらいながら生きていく可能性を持っていますので、あると言えます。また、毒親が、支配的で独裁主義だった場合、その子供が依存性パーソナリティー障害になりやすい可能性は、非常に高いでしょう。
依存性パーソナリティ障害の診断を下すには、以下の5つ以上に示されるように、服従的でまとわりつく行動に至る、世話をしてもらいたいという持続的で過剰な要求が認められる必要があります。
●他者からの過剰な量の助言や安心なしに日常的判断を下すことが困難である。
●生活のほとんどの重要な側面について他者に責任を負ってもらう必要がある。
●支援や承認を失うことを恐れることから、他者との意見の不一致をなかなか口にできない。
●自分の判断力や能力に自信がないあまり(意欲や気力がないためではなく)、一人で計画を始めることに困難がある。
●他者からの支援を得るために、進んで多大な労力を払う(例えば、不快な課題をこなす)。
●自分の面倒を見ることができないことを恐れるあまり、一人でいるときに居心地悪く感じたり、無力感を感じたりする。
●親密な関係が終わったときに、世話と支援をしてくれる人と新たな関係を築く差し迫った必要を感じる。
●一人にされて自分の面倒をみることになる恐れにとりつかれている。また、症状は成人期早期までに始まっている必要があります。
毒親は発達障害を持っている可能性が高いので一般の人と比較して考えてはいけない